江戸時代は人口統計がなく正確な数字は分からないそうですが、資料を基に算出された平均寿命は『30歳~40歳』といわれています。
それでは平均寿命が60歳を超えたのはいつでしょうか。
厚生労働省の資料によると、女性は1950年、男性はその翌年の1951年となっていますので第二次世界大戦後ということになります。2019年に還暦を迎える方が誕生した1959年の平均寿命は、女性が約70歳、男性が約65歳となっており、現在とはかなりの違いがありますね。
現在の平均寿命は女性が約87歳、男性が約81歳で過去最高を更新し、2050年には女性の平均寿命が90歳を超えると予想されており、飛躍的な伸びに改めて驚かされます。
≪企業の定年退職年齢≫
定年制度は会社によって違うのですが、1980年代までは大企業も55歳が多かったようです。
1986年(昭和61年) 高年齢者雇用安定法により60歳定年が努力義務に
1998年(平成10年) 60歳未満定年制禁止 に改正
2013年(平成25年) 希望者は65歳まで雇用延長義務化
昭和の終わり頃の会社員にとって『60歳』は、還暦と定年退職と年金受給開始が重なる大きな転換期でした。一線を退き『第二の人生』をゆっくりとスタートさせる60歳は『労をねぎらう』『長寿を願う』のに絶好のタイミングだったのかも知れません。
現在では企業の定年退職年齢も上がり60歳を過ぎても現役で働かれる方も増えてきました。健康意識も高くまだまだ若くてお元気な方が多いので、長寿祝いというより人生の節目の一つと捉える方がしっくりくるのではないでしょうか。
海外でも日本と同様に60歳でお祝いする国があるようですが、アメリカでは60歳の誕生日を『ダイヤモンド記念日』と言い、ダイヤモンドをプレゼントして盛大にお祝いするそうです。
フランスでは誕生日を迎えた本人が友達や家族をゲストとして招きパーティーを開きます。
60歳でも50歳でもお祝いをするのですが、一番盛大に催されるのは40歳で、家庭を持ち、社会人として信頼される大人の仲間入りへの感謝が込められています。
日本とは違った風習ですが、どちらも素敵ですね。